私の持病である筋痛性脳脊髄炎[ME](別名:慢性疲労症候群[CFS] 以下ME/CFS)の治療は2015年9月より開始し、現在2年9か月になります。良くなった症状は多くありますが、相変わらずの症状やひどくなった症状も多く、試行錯誤の毎日です。
今回は治療経過に加えて、ME/CFS患者の日常、心理的な側面も少し書きたいと思います。
治療経過
治療に関して書いた前回の記事から1年以上経ちましたが、結論から言うと、体調は相変わらず悪いままです。
頭痛、だるさ、睡眠不良も変わらずで、気温や気圧や疲れ具合に大きく影響され、休んでいてもひどくなったり、あるときふとマシになったりと忙しいです。
まだまだ刻々と変わる体調に振り回されている感覚があります。
良くなって安定した症状は多くあります。
・花粉症が軽くなったこと。鼻水、くしゃみ、寒気が減りティッシュの消費量も激減。また鼻のかみすぎによる鼻血も減り、楽になりました。
・風邪はほとんど引かず、引いても高熱は出ません。最近は寒気や喉痛の段階ですぐ風邪の症状に気づけるようになり、湯たんぽで体を温めたり、暖かい格好をして保温につとめたりして風邪が悪化する前に治せるようになりました。体が単に冷えているだけなのか、風邪の寒気なのか、その違いが分かるようになりました。37.5℃以上の熱は治療開始以来、一度も出していません。
・腹痛や下痢も大幅に減りました。かつては朝食後に毎日のように腹痛や下痢がありました。しかし朝食前に湯たんぽで体を温めるようになってから、体がちゃんと目覚めるようになり、腹痛や下痢は激減しました。
一方、改善したい症状は何と言ってもだるさと頭痛です。
私は仕事を在宅で2週間に一度、1日2~3時間程度していますが、次の日はだるさや頭痛で布団から出ることができません。元の状態に戻るまでだいたい一週間位かかります(それでも痛みやだるさはもちろんあります)。
回復するのにここまで時間がかからなければ、あるいはもっと回復すれば仕事量も確実に増やせるので、本当に何とかしたいです。
また体温調節機能もひどく、寒いのに汗が止まらなかったり、足の先に熱が溜まって眠れなかったり、季節や天気とは関係なく快適とは程遠い状態が続いています。
治療の頻度
湯たんぽは毎日欠かしたことはありません。頻度は冬は1日最低3回、多い時は6回ほどで、真夏でも朝昼夜の3回は沸かしています。
うちでは飲水用のやかんとは別に、湯たんぽ沸かし直し専用のやかんを用意して使っています。
湯たんぽ治療は本当に効果的で欠かすことは出来ないので、昨年11月いとこの結婚式に出席しに長野へ行った時も湯たんぽを持参しました。車で近場の移動も湯たんぽを持っていくことがあります。
関連記事:【やわらか湯たんぽ】を買う(ヘルメット潜水株式会社製) | Got a Hot Water Bottle
班目先生直伝のコットン灸は、月に1回、多くて2~3回程度実施しています。
普段より体調の悪い日、あるいは疲れている日にコットン灸をすると、起き上がれないほどだるくなることが未だに多いです。そのため体調の比較的良い日にやるようにしています。
▼私が実施している治療法に関しての記事はこちら
慢性疲労症候群の治療 その1、その2、その3
諦めること、そして希望
以前の記事で、模型作りが私の大好きな趣味の一つであることを書きました。模型は子供の頃から大好きで、お小遣いをコツコツ貯めては少しずつ買って、楽しんできました。
しかし近年体力が落ち、塗料や有機溶剤の臭いを嗅ぐと頭痛が確実にひどくなり、さらに座っていられる時間も以前に比べかなり短くなりました。現在は1日に2~3時間が限度です。(長時間座っていると気分が悪くなり、だるさも増します。また、その後数日は寝込みます。)
最後に模型作りが出来たのはもう8年前。作れない模型を置いておいても場所をとるだけだし、そのスペースをCDや洋書をしまっておく場所にしようと思いました。売ったお金は近々購入予定のiMac(パソコン)やXperia XZ1(スマホ)の資金にしようと。
そして先日、模型のキットや部品を手放しました。予想していたより額は少なかったですが、全て買い取りしてもらえて大満足・・・・・・となるはずでした。
ところが模型を手放したその夜から寂しさに襲われ、涙が出てきました。
決して模型が嫌いになったわけでも、飽きたわけでもなく、体調が悪化したことで模型作りを諦めなくてはならなくなったことが、自分で自覚していた以上にショックでした。
ME/CFSにかかってから、諦めてきたことは数知れません。行きたくても行けなかった行事、友達との約束、スポーツ、旅行などなど。それに加えて大好きな模型作りまで諦めなくてはならないことに悔しさ、悲しさが一気に押し寄せてきました。模型と共に希望もなくなってしまったようでした。
落ち込んでいたところを救ってくれたのは、小学校からの親しい友人の一言でした。
私の病気のこともよく知る彼は「希望は持っていても場所とらないから、持っておいたらいい」と。
おおげさに聞こえるかもしれませんが、この一言で生きる元気をもらいました。そして、また体調が良くなって、模型作りを再開できるようになるまで一生懸命生きようと思いました。
模型作りに使うエアブラシを含め、工具はまだ捨てずにとってあります。友人の言うように、希望は工具と一緒にとっておこうと思います。
まとめ
ME/CFSにかかると、どんなに好きでも・やりたくても諦めなくてはならないことが次々と出てきます。
仕事・家事・趣味など、健康であれば何も考えなくても出来ていた普通の生活が出来なくなります。
私自身、発症から23年の長い闘病生活で諦める事には慣れていると思っていたので、模型を手放すことでここまでショックを受けるとは意外でした。
ME/CFSは体だけでなく、心にも大きな負担のかかる病気だと改めて実感しています。周りの理解や協力に感謝しながら闘病を続けていけたら・・・理想ですね。引き続きがんばります。
分かりやすい!筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)についてのマンガ>>CFSって知っている?
お役立ちリンク集
最後に私が見つけた筋痛性脳脊髄炎専門医のリストの載ったサイトを紹介します。
青山・まだらめクリニック 自律神経免疫研究所
https://www.dr-madarame.com/
ME / CSF-info
https://mecfsinfo.net/doctors
名医を探すドクターズガイド
https://dr-guide.net/
その他、筋痛性脳脊髄炎に関する情報サイトです。
慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎患者会「笑顔の花びら集めたい」
https://egaonohanabira.net/
CFS支援ネットワーク
https://cfs-sprt-net.jimdofree.com/
NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会
https://mecfsj.wordpress.com/