病気との付き合いがどんなに長くなっても、消えない不安があります。
それは病気の悪化です。
筋痛性脳脊髄炎(以下ME)は進行性の病気ではないとされていますが、それでも年単位、早い時には数ヶ月単位で急速に悪化することがあります。
その時はME患者としてどんなに経験が豊富でも、強烈な不安に襲われ、パニックになることがあります。いや、よくあります。
そこで今回は自分が今まで病気につきものの不安にどうやって立ち向かってきたのか、どのように日々を過ごしてきたのか、整理する意味も含めて、記事にしてみたいと思います。
1. 記録をする
体の状態が悪いと不安で一杯になり、今ある症状が一生続いたり、もっと悪くなるのではないかと、最悪の状況ばかり想像してしまい、回復にも支障をきたしてしまいます。そのため現状が本当に以前よりも悪化しているのか、客観的に見る必要があります。
そこで役に立つのが記録です。
私の場合は日記をつけていて、そこに日々の体調の変化を書くようにしています。紙に書く日記は疲れるので、最近では携帯の音声入力も活用しています。
例えば、体調が悪い原因に心当たりがなくても、日記を見たら2週間前に出掛けてからあまり休めていないことが分かることがあります。また先月めまいで寝込んだときは、その前(3月)に同じ症状があったときは一週間で治った記述があり、とにかく一週間は安静にしようと具体的に目標が立てられたので、落ち着いて休むことが出来ました。
当ブログを書くことも一種の記録で、あとで読み返してみて、思っていたほど体調は悪化していないと気づく時があります。また友人たちとのメールや会う約束の回数なども、体調の一つの目安にはなります。
あとこれからやる予定なのですが、日記のついでにその日「達成したことリスト」を書こうかと思っています。体調が悪い時は「これからやることリスト」を見ると出来ないことばかりに気が向いてしまいがちですが、その日出来たことを振り返ることで、何も出来ていないわけではないことを客観視できるのではと期待しています。
2. 深呼吸をする
MEの症状がひどくなると、これくらいしか出来ることがないというのが正直なところですが、深呼吸はリラックス効果があるので、積極的に実践しています。
ただ横になって深呼吸をしていても、やらなくちゃいけないこと、できないこと、将来の不安など頭に浮かんできて、気がついたら呼吸が浅くなっていたということは多いです。
そんな時は「10回深呼吸しよう」という風に目標を設定して、数えることに集中するようにしています。また「鼻から3秒で吸って、口から10秒で吐き出す」という目標にして秒数を数えることに集中することもあります。
私の場合、体に痛みがある時に無心になることは不可能です。そのため心を目の前の動作に集中させ、他の事を考えないようにすることで、心のエネルギーの消耗を防ぐようにしています。
3. 体をほぐす
体が硬くなるとどうしても呼吸が浅くなり、さらにあちこち痛くなるので自分の手で触れる範囲はマッサージをしたり、ストレッチをして体を柔らかくするように心がけています。肩や首周りの血行が良くなると頭痛が軽くなったりする時があるので、出来る範囲で実施しています。
ストレッチも日によってはどうしても体が解れず、無理をすると筋を痛める場合があるので、痛くなりそうと感じたらやらないと割り切っています。
めまいや頭痛がひどすぎる時はストレッチは出来ないので、主治医の斑目先生直伝の手足の爪もみをするだけにしたり、横になったまま、凝りやすい腕周りをさするだけにしたり、出来ることだけに集中しています。
気分が落ち込んでも仕方がない
あまりにも具合悪い状態が続くと気分が落ち込んで、まるで別の病気になってしまったのではないかと思うことも多く、さらにそれが不安を掻き立てます。 しかし、斑目先生曰く、常に痛みなどの症状との戦いがあると、落ち込んだり希望を失ったりするのは当たり前である、とのこと。
言われてみれば確かにその通りで、年中体が痛くても常にハッピーで落ち込んだことがないという人がいたら、むしろその方が珍しいでしょう。なので落ち込むことも仕方ない、気分が悪くなることも仕方がないと、出来る限りのことをしたら諦める努力をします(しかし、これが非常に難しい…)。
MEの症状がひどくなると、脳がまるで電気ショックを受けているような、異常な興奮状態に陥ります。こうなってしまうと休むことすら一苦労。布団に横になり、深呼吸して心をいかに鎮めようとしても、一向に休まることがなく苦しいばかり。
ここまでひどくなったら、私の場合、まずは電気ショックから回復するため一週間は必要になります。この時はパニックに近い状態で、あれもこれもやらなければと気が急いてしまいますが、ひたすら耐えるしかありません。
そして体の回復は、電気ショック状態が落ち着いてからゆっくり始まるという感じです。 本を読んだり、映画を観ながらでも体が休まってくれるのは、これよりさらに回復してからのことになります。
ニュースは見ない
英検1級に向けて世間で日々起こる出来事にアンテナを張っていた方が良いとは思いますが、体調が極悪の時は悪いニュースばかりが頭に残ってしまって、眠りの質にまで影響が出るので、見ないようにしています。
とにかく体も心も消耗をしないよう、あらゆる手段を講じて自分を守ります。
私の近況【昨年暮れから絶不調】
先月23日からずっとめまいが続いており、一か月たった今も治っていません。そのため7月7日の英検1級二次試験にも行くことすら出来ませんでした。私にとっては非常に重要な資格なので、本当にショックです。さらに、レッスンも現在休講中。
ここまで治らないことは24年の病歴を振り返ってみても珍しいことなので、精神的にかなり参っています。
実は昨年の暮れから何故か体調がすこぶる悪く、1月は一か月余りひどい気分の悪さが続いたり、3月もめまいがあって友達との約束をキャンセルしたり、5月には1日も外に出かけられなかったり。さらに今年の1月〜3月は英会話講師歴6年で初めて、3ヶ月間の休講を経験しました。
体調は今までも数ヶ月単位、年単位の大きな波があり、 今はその一番悪い時なのかもしれません。天気・気圧の変化など様々な要素が体調に影響するので、一つ一つ精査しながら良くなる方法を探していくしかないです。
まとめ
現在実践している方法を、思いつくままに書いてみました。まだまだ他にもあると思うので、気がつき次第追記していきます。
どんなに休んでも、どんなに体のケアを頑張っても、体調が悪くなる時はなるので、本当に肉体的にも精神的にも大変な病気ですが、なんとか乗り越えて行きたいです。
この記事が誰か何かの役に立てば幸いです。
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この記事の英語版>>3 Ways I Fight the Anxiety of Worsening ME/CFS